ニュージーランド日記③ 2月21日(金)

浅い眠りをくりかえして朝になる。眠る枕の方向に、ミルキーブルーの湖があることに、穏やかな、ほっとした気持ちが続く。

朝食は、昨晩の残りもの(サーモンソテー)、パン、ミルク。
ミルクがとってもおいしいニュージーランド。あっさりしていて且つ一瞬きゅっと効く旨味がつよいが、後味はあっさりに戻る。アイルランドのはどんな味だっけ? ヨーロッパも。覚えていようとしていなかったので、思い出せない。と書いていて、やはり日本以外はだいたい同じ味だった気がしてきた。南米も。周辺のアジア諸国はどうなのだろうか。食べている最中、ほんの5秒間だけ、ピンクの雲の筋が伸びる。きれい、と思ったらもう現れない。

さて、丸一日クイーンズタウンでの時間があるが、何をするのか決めていない。12時間のミルフォードへのツアーに行くのも良かったけれど、ネットでは満席と出る。パラグライダーを試みたい気持ちもあったが、天気が微妙だしちょっとだけ怖い。水上のジェットバスのような乗り物に乗るのも良かったが、濡れ鼠の自分を想像する。開始時刻が適当なものに申し込む。

歩いて中心部まで。チョコレートバーとミルク。2mを超えるススキ。こんもりした紫陽花の群生。見たことがあるけれど、知らない名前の大きな花。高く咲いている。派手に実をつけた千両。

バスに乗って、アロウタウンという名前の、500mほど商店が立ち並ぶ小さな街に。青空、日差しはだんだん強くなって。やはり、秋とも春とも違う、もちろん知っている夏とも違う、知らない季節。
ワイナリーにてテイスティング。白ワインが主流とのこと。アイルランド人が40年前に移住して作ったワイナリーであると、フランス人のソムリエの男性が、ニュージーなまり気味の(でもフランス語なまりの強い)英語で話してくれる。ブルーチーズ、カマンベールチーズ、クセのない黄色のチーズ(なんていう名前だろう?)、フィグジャム、蜂蜜、たくさんのクラッカー。グレープフルーツみたいな味の白ワイン。デンマークから来たカップルと、どれがすき、これは苦手、デンマークではワイン? ビール? ワイン。日本は行ってみたい国のひとつ、みたいなちょっとした会話に肩の力が抜ける。

その後、お船に揺られてミルキーブルーの湖を眺める予定だったが、風が強いので船が出ない、ダムイッ、と案内役の女性が残念そうに伝える。

昼過ぎ、スーパーマーケットへ。昨日よりも少し離れた、より大きなスーパーへ。気になるものをカゴに放り込む。ブラウンマッシュルーム(椎茸はエキゾティックマッシュルームというらしい)、ペルー産のマンゴー、ラム肉、キウイ、ココナッツオイルなど。
私はスーパーマーケットが一等好きである。どんなテーマパークやアクティビティよりも、自然散策、鳥類動物園よりも、ここスーパーマーケットにいる時間ばかりを想像している。
14:00
ラム肉を買ってしまったので一度宿に戻る。お腹が空いたので、ラム肉赤ワイン煮を作成の上、食す。とっても美味しい。

クイーンズガーデンまで散歩。
人々が芝生でくつろぐのを見て、くつろぐか、とつぶやいてくつろぎに入る。眠くなって昼寝。起きると目前にブルー。凪いでいる。

夕方、レストランに入るにも忍びない格好なので、キッチンカーで売るフィッシュアンドチップス(魚はHoki。Hokiってなんでしょうか?)を。NZD10。とっても美味しい。イギリス、アイルランドのパブで食べたのより美味しい。

帰。
シャワーを浴びて寝る。
金曜の夜、女の子たちが目の周りを真っ黒に塗って、ワクワクした様子で繰り出していく。純粋な、混じり気のない期待感。

 

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