雑記

 朝、西武線に乗る。人はまばらだった。曇り空だった。

 駅に着いて、コロラドに入った。コロラドは好きなコーヒー屋。東京に来て最初に住んだ街にあった。次に住んだ街の隣駅にもあった。今住んでいるところから電車で30分行ったところにもある。知っているどのコロラドも、古いままだ。前日は茄子を1本食べただけだったが、空腹ではなかった。気合いを入れてフランスパンのサンドイッチを頼んだ。打ち合わせをして、コーヒーを飲んだ。

 録音をした。朝から晩になった。昼にはおにぎりと唐揚げを食べた。夕方には雷雨があった。

 スタジオを出る頃には、雷雨が微雨に変わっていた。でも雷は光っていた。どこかでは雷雨だったんだろう。

 軽く打ち上げをした。日本酒は(やっぱ)いいな、と言った。わたしもそう思う。もういっぱいだけのんでいい、と聞くと、いい、と認めてくれた。途中で入店して来た男性は酔っ払っていた。酔っ払った人特有の絡み方で絡み、歩き方で歩き、もし傘がなくなったら困る、と言っていた。「ウチは酔っ払いはダメだから」と店主が言って、酔っ払いは帰された。優しさがリーンと鳴った。思いやりがドーンと響いた。そして矛盾。田はいい店だし、田のある街はいい街だ。最後に焼き茄子を頼んだ。焼き茄子の食べ方の正解を聞かれた。焼き茄子は好きなようにお食べ。好きなところで醤油を垂らし、好きなだけ鰹節をかけるといい。夏はどこに行っても茄子が目立っている。うん、輝いている。

 いい日だった。いつでも、愛ある、あしたを、信じていたい、という歌を久々にうたったらとても懐かしかった。