2月20日(水)

もうすぐ春だ。今冬は部屋にこたつを設置し、他にも暖房器具を導入したので、かなり暖かく穏やかに過ごせたものの、やはり鼻をくすぐる春の空気はうれしい。散歩にも出られるし、缶ビールも飲める。

 

ソファに座っているのが<諦め>それ自体で、自身の重みのせいでずぶずぶと深く沈み込んでいくように、わたしは諦めとしてソファに座っていた。疲れていた。半目でページを手繰り、8割眠りに傾いたまま左手で本を支えていた。そんな日もある。昨日も眠るの遅かったし。とかなんとか言い訳を呟いて、諦めは帰宅することにした。

 

諦めには最近ほしいものがある。インド香だ。ありそうな店に探しに行くも、目当てのにおいは無く、早々に諦めて帰路につく。雨が降っていた。人のにおいを思い出したり、あのこ昨日Fishmans見に行ったのかな、と気になってメールしたりした。

 

コンクリートが湿るにおいに、さっき嗅いだ間違ったインド香のにおい、思い出す人のにおい、甘くて、いやになるくらい、思い出すにおいがずっとしていた。すきなバンド埋火のすきな曲と、おもったを口ずさみながら、自転車を漕いで帰った。諦めとして沈み込んだ2時間程度のおかげで、幾分か気分が良くなっていた。