1月11日(月)

筋道立てられた話や、打ち立てられた規則——と言ってもごく最近、名前くらいは誰でも知っている国々で。最初は本当だったかも知れないそれも、キメイラ、異種配合を繰り返し、爆発することもあれば痩せ細ることもある。どちらかといえば痩せ細りがちでそのノイズ除去は倍々ではなく二乗三乗に押し進められ、結局誰でも知っている、誰にでもわかるものになる。と、どこかで誰かは憂うかも知れない——を自分も気づかないで疑問なく消費したりする、毎日だ。いつもどこかで余裕のある誰かは憂いているし、いつもどこかで言葉ない者の目前で水際は寄せては返す。

 

言わないという行為で、言えないくらいの新しいものを、肯定できない。肯定の反義語が否定だとしたら、そんなふうに一文で言ってしまうことも、悲しい事実に成り下がるかも知れないけれど。だからわたしとあなたがいるとすれば、わたしはあなたに伝える時、痩せ細っていない故に分かりづらいだろう言葉で、語りかけたい。それはいつも、わたしのこと、だけじゃないから(たぶん)、できれば聞いて欲しいと思う。

 

わたしのことというのは、いつもつまらない。わたしのこと、あるいはあなたのこと、で完結しているものはいつも全てつまらない。「ある一人の面白い者」は、たぶんだけどこの世界に一人もいない。全てとか、一つもないとか、いつもとか、大層なことばかりで明日殺されちゃうかも、と思いますが。

 

さて今年は日記を書こうかな〜と思って書き始めたら。

今日は、部屋の掃除をしながら電化製品の配線を整えて少しだけ暮らしやすくしたあとで、南瓜を炊いて、炊き終えたら出掛け、髪を整えてもらった。その間久しぶりに「ヴィトゲンシュタインの愛人」という本を読み進めつつ髪質をお姉さんに褒められて良い気になった為に、蒸留酒の博物館のような店で好きな酒を買い、酒瓶を割らないように/死なないように慎重に帰り、いつもは店で飲むラフロイグを家で飲んだ。アイラ島ウイスキーに合わせる食べ物はとても難しいなあと琥珀の液体を噛みながら、音楽を流し好きな香を焚くと、お酒ぐんぐん進んだ。あぁラフロイグ(ぐらい複雑な個性)には、味覚ではなくてその他感覚に訴えかける方が良いんやなあ、と思った。(日記)